山羊の飼育頭数

世界

 FAOの統計によると、世界の山羊飼養頭数は年々増加しており、1997年現在の総頭数は約7億頭で、その95%はアジア、アフリカおよび南アメリカに分布しています(表1)。アジアでは、中国、インド、パキスタン、バングラデシュ、イランの順に頭数が多くなっています。このように、世界の中でも開発途上国においては山羊は増加しています。これは人口の爆発的増加や飢餓難民の増加に伴う食料不足により山羊に対する需要が増加していることと関連しているのかもしれません。

  表1.世界の山羊飼育頭数の推移(FAO,1998) 単位:1,000頭
1989-91年 1995年 1997年
アフリカ 168,926 (29.4) 175,401 (27.4) 180,304 (25.6)
北・中央アメリカ 14,943 (  2.6) 15,036 (  2.3) 14,915 (  2.1)
南アメリカ 22,179 (  3.9) 23,403 (  3.7) 22,787 (  3.2)
アジア 345,272 (   60) 407,055 (63.5) 466,282 (66.3)
ヨーロッパ 15,176 (  2.6) 19,232 (  3.0) 18,390 (  2.6)
その他 8,737 (  1.6) 844 (  0.1) 710 (  0.1)
合 計 575,233 ( 100) 640,971 ( 100) 703,388 ( 100)
注)括弧内の数値は各年の合計に占める割合


日本

 第二次世界大戦後、政府による奨励策の下で1949年にザーネン種と肉用在来種との交雑により「日本ザーネン種」が確立した後、1957年には乳用および肉用山羊合わせて約67万頭が飼養されていましたが、1961年の農業基本法によって農業生産構造が変化し、農業の近代化に伴い日本の畜産業は経済家畜としての牛、豚、鶏が主流となりました。
 自給用家畜としての山羊は、それ以降激減して1975年には約11万頭となりました。その後も飼養頭数および飼養戸数は減少し、農林水産省の畜産統計によれば、1997年現在の総頭数は28,500頭であり、1戸当たり飼育頭数は5.4頭となっています。地域別では、九州(鹿児島、熊本など)、沖縄、関東(長野、茨城、群馬など)、東北(岩手、福島など)で多く飼養されており、九州・沖縄だけで全体の80%以上を占めています。
 このように、世界における山羊の増加傾向に反してわが国では減少の一途を辿っていますが、最近、あちこちで数頭の山羊を飼っているという情報を耳にしたり、各方面から山羊を飼いたいという要望があり、それに関する問い合わせも後を絶ちません。したがって、統計数値上に表われない潜在的飼育者はむしろ増えているものと推察されます。